NPVはNet Present Valueの略で、日本語では「正味現在価値」や「純現在価値」と訳されます。エヌピーヴイと読みます。ある投資によって将来得られると予想される収益の現在価値の合計額から、投資金額を差し引いた金額のことを指します。
NPVの解釈
NPVは、ある投資がどれだけの価値を生み出すのかを測る尺度です。
- プラスのNPV: 投資によって得られる将来の収益の現在価値が、投資額を上回っていることを意味します。つまり、その投資は利益を生み出す可能性が高いと判断できます。
- マイナスのNPV: 将来の収益の現在価値が、投資額を下回っていることを意味します。この場合は、その投資は損失を生む可能性が高いと判断されます。
- ゼロのNPV: 将来の収益の現在価値と投資額がちょうど釣り合っている状態です。
NPVの計算と使い方
NPVの計算は、将来のキャッシュフロー（お金の出入り）を現在価値に割引いて合計し、そこから初期投資額を差し引くという手順で行われます。NPVは、投資の意思決定をサポートする上で非常に重要な指標です。
- 投資案件の評価: 複数の投資案件がある場合、NPVが最も高い案件を選ぶことで、より高い収益が見込めます。
- 事業計画の評価: 新規事業の採算性を評価する際にも活用されます。
- M&Aの評価: 企業買収の際の評価にも利用されます。
NPVを図で理解する
graph LR
A(初期投資) --> B(将来のキャッシュフロー)
B --> C(割引現在価値)
C --> D(NPV)
この図では、初期投資から将来のキャッシュフローが生まれ、それが割引現在価値に換算され、最終的にNPVとして算出される過程を示しています。
NPVの注意点
- 割引率: NPVの計算には、割引率という概念が用いられます。割引率は、将来のお金が現在のお金よりも価値が低いと考える際の割合です。割引率の設定によって、NPVの値は大きく変わることがあります。
- 不確実性: 将来のキャッシュフローは予測であり、実際には異なる可能性があります。NPVは、あくまで一つの予測値であることを理解しておきましょう。
- 他の指標との組み合わせ: NPVだけでなく、IRR（内部利益率）や償却期間法などの他の指標も合わせて検討することで、より総合的な評価が可能になります。
まとめ
NPVは、投資の意思決定をサポートする上で非常に有用なツールです。しかし、NPVだけで投資のすべてを判断することはできません。他の情報や要因も考慮しながら、総合的に判断することが重要です。
